※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。
「鳥獣被害」という言葉はニュースでよく見かけますが、実際どのくらいの規模なのか、具体的な金額で知る機会は多くありません。
農林水産省が毎年公表している「全国の野生鳥獣による農作物被害状況」をもとに、最新の被害額とその推移をまとめました。
鳥獣被害額は全国で年間164億円(令和5年度)
農林水産省の発表によると、令和5年度の野生鳥獣による農作物被害額は全国合計164億円でした。前年度(令和4年度)と比べて+8.0億円の増加です(参考:農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和5年度)」)。
鳥獣種類別の被害額(令和5年度・全種類)
農林水産省「野生鳥獣による農作物被害の推移(鳥獣種類別)」(令和5年度)のデータをもとに、獣類・鳥類すべての内訳を金額順にまとめました。
| 順位 | 鳥獣種類 | 被害額(令和5年度) | 全体に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 1 | シカ | 69.5億円 | 42.5% |
| 2 | イノシシ | 36.3億円 | 22.2% |
| 3 | カラス | 13.4億円 | 8.2% |
| 4 | クマ | 7.4億円 | 4.5% |
| 5 | サル | 7.1億円 | 4.3% |
| 6 | アライグマ | 4.8億円 | 2.9% |
| 7 | ハクビシン | 3.7億円 | 2.2% |
| 8 | カモ | 3.9億円 | 2.3% |
| 9 | ヒヨドリ | 3.3億円 | 2.0% |
| 10 | その他獣類(モグラ・マングース等) | 3.6億円 | 2.2% |
| 11 | タヌキ | 1.5億円 | 0.9% |
| 12 | ムクドリ | 1.8億円 | 1.1% |
| 13 | スズメ | 1.8億円 | 1.1% |
| 14 | ハト | 0.9億円 | 0.5% |
| 15 | ウサギ | 1.0億円 | 0.6% |
| 16 | カモシカ | 0.8億円 | 0.5% |
| 17 | ヌートリア | 0.5億円 | 0.3% |
| 18 | ネズミ | 0.5億円 | 0.3% |
被害額の内訳を見ると、シカとイノシシで全体の約6割を占め最大の被害要因になっています。当サイトで扱うことが多いハクビシン・アライグマ・タヌキ・ムクドリ・ハトも、合計すると年間約12.7億円の農作物被害額として計上されており、決して小さな規模ではありません。
都道府県別では北海道が突出して1位
同じく農林水産省「野生鳥獣による都道府県別農作物被害状況(令和5年度)」によると、北海道だけで被害額約62億円と、全国被害額(164億円)の約38%を占めています。これはシカによる被害が北海道に集中していることが主な要因です。次点の都道府県は5〜6億円規模で、北海道が突出した1位という構図です。
被害額が増えている理由
鳥獣被害額が増加している背景には、主に次のような要因が指摘されています。
- 耕作放棄地の増加で、野生動物の生息域が人の生活圏に近づいている
- 狩猟者の高齢化・減少により、個体数のコントロールが追いつきにくくなっている
- クマ等一部の種で、出没エリアが例年より拡大する年がある
ハクビシン・アライグマ・タヌキ・ムクドリ・ハトの被害額
ここで紹介した金額は、あくまで農林水産省が集計する「農作物被害額」です。住宅の屋根裏や庭先への侵入被害は、この統計とは別に自治体ごとの相談件数として把握されているケースが多く、農作物被害と完全にイコールではありません。
ただし、農作物被害の金額だけを見ても、アライグマ4.8億円・ハクビシン3.7億円・タヌキ1.5億円・ムクドリ1.8億円・ハト0.9億円と、いずれも一定の規模で被害が発生し続けていることがわかります。特にアライグマは特定外来生物に指定されており、生息域の拡大とともに被害額も増加傾向にある動物の一つです。
各動物の特徴・見分け方・対処法は、以下の記事でも詳しく解説しています。
被害に気づいたときの対処の考え方
鳥獣被害は、シカ・イノシシのような農地の被害も、ハクビシン・アライグマのような住宅侵入も、共通して「早期発見・早期対処ほど被害が小さく済む」という傾向があります。
天井裏の物音・フン・畑の荒らされた跡などに気づいた段階で、自己判断で放置せず、状況を確認することが被害拡大を防ぐ第一歩になります。自分で対処が難しい場合は、専門業者への相談も選択肢の一つです。
まとめ|鳥獣被害は全国164億円規模、傾向は年々変化している
令和5年度の全国の鳥獣被害額は164億円で、前年度から8.0億円増加しました。シカ・イノシシが被害額の中心である一方、クマの被害額は増加率が高く、年によって出没状況が大きく変わる可能性がある点にも注意が必要です。
この記事のデータは農林水産省が毎年更新しているため、翌年度以降も同様の傾向が続くか、当サイトでも定期的に確認していきます。
複数の害獣駆除業者案件を調べる中で感じるのは、統計上の被害額が増えている年ほど、個人からの駆除相談件数も増える傾向があるということです。数字が伸びている年は、身近な被害も増えているサインとして捉えるとよさそうです。
出典
- 農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和5年度)」https://www.maff.go.jp/j/press/nousin/tyozyu/241227.html
- 農林水産省「野生鳥獣による農作物被害の推移(鳥獣種類別)」(別添2)PDF
- 農林水産省「野生鳥獣による都道府県別農作物被害状況(令和5年度)」(参考2)PDF
![]()
鳥獣被害額は全国で164億円|農水省データで見る最新の鳥獣被害 統計 状況と推移
自分で対処できる範囲か迷ったら、無理をせず早めに専門業者に相談してください。判断のポイントは記事内でまとめています。